強い心で野球選手を苦しめるイップスを予防、克服しよう!

強い心で野球選手を苦しめるイップスを予防、克服しよう!

イップスとは野球はもちろん、様々なスポーツにおいて精神的なことが原因で特定の動作に支障をもたらし、思い通りのプレーが出来なくなってしまう運動障害を意味します。イップスを予防・克服するためには強い心を作ることが重要になります。


(1)野球選手はもちろん、スポーツ選手を苦しめるイップスとは…?

 皆様『イップス』という言葉を知っていますか?イップスとは野球はもちろん、スポーツにおいて精神的なことが原因で、思い通りのプレーが出来なくなってしまう運動障害です。イップスに陥るきっかけは人それぞれで、無意識に身体が拒否反応を起こすようになってしまいます。当然、原因が分からなければ、闇雲に練習をしても克服することなど出来ません。イップスを克服するためには強い心を作ることが重要になります。

(2)できていたことができなくなる…イップスが巻き起こす症状

 野球において発症するイップスを例にあげると以下の通りになります。

☆投手の場合
「与死球が原因でストライクゾーンに投げ込めなくなる…」

☆内野手・外野手の場合
「悪送球が原因で、正常な送球が出来なくなる…」


上記のように今まで出来ていた基本的な動作ができなくなってしまうのです。野球という団体スポーツにおいて、ましてや試合中に、イップスが原因で普段では考えられないミスをしてしまうと周囲から非難されさらに深く悩んで症状が悪化してしまうことさえもあります。症状を悪化させないためにも自分がイップスであるということを自覚し、周囲に打ち明け、理解してもらうことでサポートしてもらえるような環境を作ることが第一です。

(3)【体験談】自己分析と周囲の理解でイップスを克服

 筆者が高校時代、実際にイップスを克服したチームメイトがいたので紹介させていただきます。そのチームメイトのイップスに気が付いたのは高校の部活に入って間もない頃、先輩らと一緒にボール回しをしていた時です。チームメイトは2~3バウンドしてしまうほど力のない送球をしており、他のチームメイトからは「ふざけているのか…?」と勘違いされてしまうほどでした。不思議に感じ、詳しく話を聞いてみたところ、「投げる瞬間に目の前が変な感じになってしまう…」とのことでした。


 その後、自己分析・周囲の理解と共にチームメイトはイップスを克服しました。まずイップスに陥った原因を1つずつ紐解きました。今までは軟式野球をプレーしていましたが、高校から硬式球に変わった環境の変化が心に影響している事を突き止めました。心理面の原因が判明した後、少しずつ自信を取り戻すために「遠投」や「ネットスロー」にひたすら取り組みました。そんなチームメイトに監督や、チームメイトも「焦らずしっかり治そう」などと支え続けました。約二ヶ月後にはイップスを克服。三年夏には外野手としてレギュラーに選ばれるほどの成長を遂げました。

(4)イップスになりやすい人の特徴

 イップスに陥る原因としてよく聞くのが「大事な場面でミスをして、それがトラウマになってしまった」ということです。この事からイップスになりやすい人の特徴としては責任感が強く、ミスを必要以上に引きずってしまう真面目で神経質ということが挙げられます。周囲の人の目や、繊細なことを気になってしまう人は、いつの間にかイップスに陥ってしまう可能性があるのです。

(5)イップスは乗り越えられる。克服して結果を残したプロ野球選手達

 イップスはプロ野球選手でも陥ってしまう病です。今年史上48人目となる『通算2000本安打』を達成した中日ドラゴンズの荒木雅博選手も、「イップスで苦しんだ1人だったのでは…?」と言われています。荒木選手は、二塁手として2004年から6年連続でゴールデングラブ賞を獲得するほどの「守備の名手」で知られています。しかし2010年に遊撃手にコンバートされると、スローイングに安定感を欠くなど20失策を記録してしまいました。今まで「守備の名手」と評判の高かった荒木選手がここまで失策を記録してしまい巷では「イップスに陥ったか…?」と噂されました。遊撃手にコンバートされたことで「担当する守備範囲」、「一塁との距離の違い」に戸惑いを感じ、精神面の影響から思い通りのプレーをするのが難しくなってしまったのかもしれません。


 そんな荒木選手は2012年から二塁手に再コンバートされて徐々に輝きを取り戻します。再コンバート当初はイップスが糸を引いたのか失策が目立ちました。しかし不屈の精神で徐々に本来の守備を取り戻し、2013年から失策の数も一桁台に減り、2017年現在も二塁手として39歳とは思えないキレのある守備でチームに貢献しています。人は試練を乗り越えられるのです。

(6)漫画で詳しくイップスについて知る

 イップスについて描写がある野球漫画で有名なのが「ダイヤのA」でしょう。イップスについてリアルに描写されていますので興味を持たれた方は是非、読んでみましょう。


 「ダイヤのA」では主人公の沢村栄純が夏大会の決勝において、相手打者に対して敗北につながる頭部死球を与えてしまったことが原因で「インコースに投げ込めなくなる」というイップスに陥ってしまいます。しかし栄純は、先輩に今まであまり使ってこなかったアウトコース中心の投球を伝授され、技術の幅が広がったことでインコースの捉え方を変えることに成功。再び以前のようにインコースに投げ込めるようになったのです。

(7)メンタルトレーニングでイップスを予防・改善

 イップスを予防・改善するためにはメンタル面を強くすることが不可欠です。簡単に実践できるものだと成功している自分をひたすらイメージして、ポジティブな思考を持つ『イメージトレーニング』でしょう。ポジティブな思考を定着させることが重要です。


 競技が異なりますが、フィギュアスケートの羽生結弦選手は鍛え抜いたメンタルで素晴らしい結果を残し続けています。織田信成さんから「メンタル最強」と讃えられるほどの心の強さを持ちます。羽生選手は練習日誌を取り入れ、日々の練習の中での感覚や、良かった点などを記録しているそうです。その日誌をイメージトレーニングの際に活用することで課題や目標を確認し、モチベーションの向上にしていると言います。またメンタルトレーニングのために様々な書籍も読み漁ったとのことです。そこから磨いた技術や精神的な強さで羽生選手は結果を残し続けているのでしょう。

(8)まとめ

 野球選手はもちろんスポーツ選手を苦しめるイップス…。他競技でも以下のような症状があります。

☆ゴルフの場合
「精確なパッティングができなくなる…」

☆バスケットボールの場合
「フリースローを決めることができなくなる…」

☆自転車競技の場合
「特定のコースからライバルを追い抜くことができなくなる…」


イップスの症状は他にもまだまだ沢山、存在します。イップスを予防、克服するためには強い精神力が必要です。野球を楽しむ皆様はもちろん、スポーツ競技に取り組む方はメンタルトレーニングなどで精神をケアしましょう!

【記事執筆】
高野昭喜

【企画立案・原稿編集】
田中紫音・小林英隆

※本サイトへの許可なく画像・文章などの無断転載、無断引用を一切、禁じます。

この記事のライター

最新の投稿


オフシーズンはプレイボールズのLIVEで野球の臨場感を楽しもう

オフシーズンはプレイボールズのLIVEで野球の臨場感を楽しもう

プロ野球はオフシーズンで試合がなくて寂しいですよね。絶対直球女子!プレイボールズが披露してくれるステージを見に行けば、球場が持つ臨場感と同質の興奮を味わえることをご存知でしょうか?2017年12月11日、東京・恵比寿LIQUIDROOMにて単独試合(ワンマンライブ)を開催することで、LIVE会場を野球場に変えました!


「捕手(キャッチャー)」とは?扇の要!【野球ポジション#6】

「捕手(キャッチャー)」とは?扇の要!【野球ポジション#6】

捕手は「扇の要」と呼ばれるほどの重要なポジションです。投球を受けることだけが捕手の仕事ではなく、チームの中心として様々な役割を果されなければならないポジションです。今回は、捕手以外の他の内野手や、外野手とは全く違う捕手の役割をご紹介します!


日本でも導入されるチャレンジ制度(リクエスト制度)を解説!

日本でも導入されるチャレンジ制度(リクエスト制度)を解説!

来季から日本でも導入されるチャレンジ制度(リクエスト制度)。今のうちにチャレンジ制度の歴史や、システムを知ることで、来季のプロ野球をより楽しめるようになること間違いなしです!


「三塁手(サード)」とは?強烈な打球を捌く!【野球ポジション#5】

「三塁手(サード)」とは?強烈な打球を捌く!【野球ポジション#5】

攻守において派手な選手が守るポジションと言われている三塁手を解説します。三塁手は守備の要と言われている二遊間に負けず劣らず重要なポジションであり、様々な役割が存在するのです!


「外野手」とは?攻走守3拍子揃うのが理想!【野球ポジション#4】

「外野手」とは?攻走守3拍子揃うのが理想!【野球ポジション#4】

プロ野球はオフシーズン。来シーズンへの予習も兼ねて改めて「外野手」について紹介します。外野手とは本塁から見て、左側を守る左翼手と右側を守る右翼手、そして左翼手と右翼手の中間地点を守る中堅手といった外野の守備に就く3人の野手のことを指します。