知らない人も多いのでは?プロ野球の難しいルールをわかりやすく解説

知らない人も多いのでは?プロ野球の難しいルールをわかりやすく解説

プロ野球の難しいルールをわかりやすく解説します!様々なルールで成り立つプロ野球ですが「ボーク」「コリジョン・ルール」「コールドゲーム」「脳震とうの特別処置」といったものがまだ分からない方もいらっしゃるのではないでしょうか?


 プロ野球には様々なルールがありますが「よく分からないなぁ…」と思っているルールって結構、ありませんか…?そこで「ボーク」「コリジョン・ルール」「コールドゲーム」「脳震とうの特別処置」といったプロ野球観戦初心者にはあまり馴染みのないルールを紹介します!併せて近年、導入が検討されている「ゲッツー崩し禁止」。球界の発展のために議論しなくてはならない「キャッチャーの後頭部へのバット直撃」も解説します。

(1)「ボーク」は投球時、牽制時に発生する13個の反則行為の総称

 「ボーク」とは、ピッチャーの投球時、もしくは塁への送球時における13個の反則行為の総称です。審判からボーク宣告されたらペナルティーとして背負っているランナーの進塁が課せられます。また、ランナーがいないときのボークは、反則投球としてバッターにワンボールがあたえられます。以下に13個の反則行為をご紹介します。(1)~(13)は公認野球規則の項目に対応させています。

【投球に関する動作がボーク判定されるケース】

(1)投手板に触れているピッチャーが、バッターへの投球を中止した場合
※2段モーションが禁止されたのは本項目に該当したため

(5)反則投球を行った場合
※反則投球は「規定されているワインドアップポジション、もしくはセットポジションからの投球動作に反した投球を行う」「バッターが打撃の体勢に入る前に投球を開始」の2点

(6) バッターと正対する前に投球を行った場合

(7)バッターに対して投球する際、投手板を踏んでいなかった場合

(13)セットポジションで静止する際、首から下を動かしてしまった場合



【牽制に関する動作がボーク判定されるケース】

(2)投手板を踏みながら牽制球を投げる際、一塁と三塁に対して牽制をするマネだけをして送球しなかった場合

(3)牽制球を投げる際、牽制する塁の方向へ脚を正しく踏み出さなかった場合

(4)ランナーのいないベースに、牽制球を投げた場合



【ボールの扱い方がボーク判定されるケース】

(8)ピッチャーが故意に、試合を遅らす行為をした場合

(9)ボールを持たずに投球板に触れる、またぐ、投球するマネをした場合

(10)投球動作を取った後、実際に投球もしくは送球する場合を除いてボールから一方の手を離してしまった場合

(11)ピッチャーが投手板を踏んだ状態で、球をポロリと落とした場合

(12)故意四球の際、キャッチャーズボックスに両足が入っていない捕手へ投球した場合


ルールに習熟しているはずのプロ野球選手でもボーク判定をされることもあります。皆様もプロ野球観戦の際、投手の動作を細かくチェックしてみてください。

(2)2016年に話題になったコリジョン・ルールって何?

 続いては2016年にNPBに導入されて話題になったコリジョン・ルールについて解説します。野球ファンにとって本塁上のクロスプレーはエキサイティングですよね。しかしクロスプレーの際、キャッチャーとランナーが激突してしまったら大ケガに繋がります…。過去にもNPBでは阪神タイガースに所属していたマット・マートン選手のタックルが話題となりましたよね。またメジャーリーグでも2011年、サンフランシスコ・ジャイアンツのバスター・ポージー選手が本塁上でのクロスプレーのため、左足靭帯断裂の重傷を負ってしまい選手生命を脅かされてしまいました。

(2-1)コリジョン・ルールの規則とペナルティー内容を確認

 そこでクロスプレーでの怪我を防ぐためにメジャーリーグでは2015年から、そしてNPBでは1年遅れで「コリジョン・ルール」が導入されました(アメリカでは「ポージー・ルール」と呼ばれています)。ルール内容は以下の通りとなります。

(1)ランナーは、相手キャッチャー・野手に接触する目的で走路から外れてはならない。
→ルールに違反した場合、走者にはアウトが宣告される。さらに他のすべての走者も元の塁へと戻される。

(2)キャッチャーは、ランナーの走路をブロックしてはならない。
→キャッチャーに非があった場合、走者は自動的にセーフとなる。

以上のことから走者はまっすぐと本塁へ突っ込み、キャッチャーは本塁を空けて身体をやや一塁側に寄せながら送球を待つような体勢となる必要があります。

(2-2)導入にあたり現場は混乱中…

 しかし2016年後半戦、早くもコリジョン・ルールに新基準が追加されて現場を混乱させました…。何故、新基準が追加されたのか?それは「キャッチャーによる走路妨害の基準」がハッキリとしていなかったからです。よって後半戦からは「実際にキャッチャーとランナーの接触があったか?」という点が問題となるように変更されました。コリジョン・ルールはまだ導入されたばかりなので、ルールの明確化や試合での浸透には、当分時間がかかりそうですね…。

(3)コールドゲームの条件について

 コールドゲームとは「それ以上、試合続行が不可能な時」、もしくは「それ以上、試合を続けることが無意味になった時」審判により宣言されて試合が終了することです。

(1)NPBでは基本的に天候不良を理由に、5回裏終了時にコールドゲームが宣告される。

(2)高校野球の地区大会では5回、6回終了時点で10点差が開いた場合。7回、8回終了時点で7点差が開いた場合にコールドゲームが宣言される。


なお甲子園本戦での試合とNPBでの試合では、大量点差によるコールドゲームは宣告されません。

(4)脳しんとうの特別処置について

 プロ野球選手達の健康を守るために2016年6月16より施行されたのが、「脳しんとう特例措置」です。これは、交錯プレーや死球などで、脳しんとうを起こした可能性がある選手に適用されます。その後に回復、あるいは脳震とうではないと判明したら、元来なら再登録に必要な10日間を待たずに復帰することができます。2016年、千葉ロッテマリーンズの清田育宏選手、東京ヤクルトスワローズの今浪隆博選手、中日ドラゴンズの杉山翔大選手らに適用されました。

(5)現在、検討されている「ゲッツー崩し禁止」について

 守備側の連続したプレーによって攻撃側の二人を一度にアウトにするダブルプレー、いわゆる「ゲッツー」は”守備の華”ともいえるほど、見応えがありますよね。しかしランナーがダブルプレーを防ぐためのベースへと危険なスライディング、いわゆる「ゲッツー崩し」を狙ってくるので守備側の選手にとっては危険極まりないですよね…!

(5-1)華麗な守備の裏側では選手生命が脅かされている

 日本人メジャーリーガーが危険な「ゲッツー崩し」のため、選手生命が脅かされてしまいました…。デビルレイズ・レイズ時代の岩村明憲選手、ミネソタ・ツインズ時代の西岡剛選手らが「ゲッツー崩し」のために靭帯断裂・骨折等の大ケガに見舞われました。特に岩村選手はその後、アメリカや日本のプロチームを転々としましたが、どこでもレギュラーになれないほどの後遺症を負いました。

(5-2)メジャーリーグではゲッツー崩しを禁止。日本も導入検討中

 怪我を防ぐために2016年、メジャーでは、「ゲッツー崩し」を規制するルールが成立しました。これにより選手は危険なプレーと認定されれば、審判より注意があたえられます。

 またNPBでも「ゲッツー崩し」に対する罰則規定が検討中です。きわどいタイミングでのクロスプレーはエキサイティングですが、露骨な守備妨害に等しいスライディングは観戦している方も気分が良くないですよね…。今後もラフプレーを規制する取り組みが増えてほしいです。

(6)議論を重ねてルールを考えなくてはならない「キャッチャーの後頭部へのバット直撃」

 まだルールとして規制されていませんが、バッターが空振りをした際に起きてしまう可能性がある「キャッチャーの後頭部へのバット直撃」を抑制するための解決策を考え出す必要があります。これまでは稀にしかこのような事故は発生しませんでした。しかし2016年、短期間で2度も東京ヤクルトスワローズのウラディミール・バレンティン選手が、相手キャッチャーの後頭部を殴打してしまいました。近年NPBでは先述の「脳しんとう特例措置」を導入したように、選手の健康と安全を守るために「キャッチャーの後頭部へのバット直撃」は無視できない問題となりました。

(6-1)根本的な解決策はまだ見つからず…

 残念ながら「キャッチャーの後頭部へのバット直撃」を根本的に解決する方法はまだ発見されていません。後頭部へのバット直撃を避けるため、キャッチャーが後ろすぎる位置に構えたら捕球やランナーの牽制に悪影響が出てしまいます。一方、バッターは純粋にスイングしているだけなので、ルールで規制したために成績が下がってしまっては大問題です。

(6-2)解決策を考え続けなければならない

 プロ野球の発展と、選手の怪我を抑制するために「キャッチャーの後頭部へのバット直撃」は早急に議論を重ねてルールを改良する必要があります。頭部への衝撃は重大な怪我の原因ともなりますし、後遺症も残る可能性があります。今すぐに解決策が誕生することは難しいですが我々ファン、有識者、現場のプロ野球選手がアイデアを出し合い考え続けなくてはなりません。もしかしたらアナタの閃きが解決策となるかも…?

(7)ルールを把握してより、プロ野球観戦を楽しんで下さい!

 プロ野球観戦初心者の方になじみのないルールをご紹介しましたがいかがでしたでしょうか?時にルールが複雑に感じる事もあるかと思いますが、ルールをよく知ることでプロ野球選手の一挙一動への理解が深まります。2017年初春にはワールド・ベースボール・クラシックも控えていますし、ここで改めてルールを把握して観戦をより楽しんでください!

○記事執筆

水江 徹也

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