元プロ野球選手が語る、少年野球の練習を見守るためにご両親が注意するべき心構え!【元オリックスブルーウエーブ   高見澤考史】

元プロ野球選手が語る、少年野球の練習を見守るためにご両親が注意するべき心構え!【元オリックスブルーウエーブ 高見澤考史】

未来のプロ野球選手を目指す少年たちを指導するアーデルバッティングドーム/アーデル野球塾を経営する高見澤考史さん(元オリックスブルーウェーブ)に、「少年野球の練習を見守るためにご両親が注意するべき心構え」をお話いただきましたました。


元プロ野球選手に練習を見守る心構えを教えてもらいました!


 未来のプロ野球選手を目指す少年たちを指導するアーデル野球塾を経営する高見澤考史さん(以下 高見澤様)に、練習を見守るためにご両親が注意するべき心構えをお話頂きましたました。アーデル野球塾は埼玉県さいたま市岩槻区のアーデルバッティングドームを拠点に、一都二県で展開されています。「知る人ぞ知る野球塾」としてあの著名人の子供たちも遠くから通ってくるほど!高い評価を集めています。そして代表取締役を務める高見澤さんは、オリックスブルーウェーブで外野手を務めた経験も持つ元プロ野球選手!元プロ野球選手からのメッセージは必ず、野球少年達の上達の力になります!


○アーデルバッティングドーム/アーデル野球塾のHP
http://play-ball.jp/

(1)情熱的に子供たちと触れ合いながら事業を拡大した

(1-1)出会いは運命の巡り合わせ

──まずは高見澤さんの事を教えて頂ければと思います。現在、アーデルバッティングドームと、アーデル野球塾を経営されていらっしゃいますよね。最初は「代表取締役 社長」ではなく、「従業員」でしたよね?



 はい、その通りです。平成16年(2004年)の10月に入社しました。プロ野球選手としての現役生活を終えた後、腰痛の手術で入院したんですよ。そして、退院してから4日後にアーデルバッティングドームに入社していました。


──凄く、早いですね…!入社に至った経緯を教えて下さい。



 運命の出会いだったとしか言えません(笑)。僕が入院している時に、妻が求人誌を持ってきてくれました。「退院後はどんな職に就こうかなぁ…野球に関係した仕事がいいなぁ…」とペラペラとページをめくっていたら、アーデルバッティングドームからの求人が掲載されていたんですよ。もう「これだ!」と感じて、応募しました。


──面接はいかがでしたか?



 前オーナーに面接していただいたのですが、凄く驚いていましたね…!


──元プロ野球選手が応募してきたら誰でも驚くかと思いますよ(笑)。



 「ほ…本当に働きたいんですか…?」って確認を取ってきましたからね(笑)。ちょうど、僕が入る前に店長を務めていた方が辞めるタイミングでしたので求人を出していたようです。その後、僕が店長職を引き継ぎました。本当、運命の巡り合わせですよね。

(1-2)ほぼ無休で野球塾に取り組み続けた

──高見澤さんが入社された際、アーデル野球塾は既に開催されたいのですか?



 いいえ、僕がアーデルバッティングドームに入社した時点ではまだ存在しませんでした。前店長が無料ワンポイントアドバイスを週に一度、指導するサービスは行っていましたが。


──アーデル野球塾をスタートされた当初の状況を教えて下さい。



 アーデル野球塾は無料ワンポイントアドバイスを発展する形からスタートしました。最初は8人からはじめったのですが、1年も経たない内に120人くらい集まりました。自分も夢中になってしまい、ほぼ無休で働き続けました(笑)。


──ビジネスが面白かったのですか?



 いえいえ、面倒を見ている生徒たちの成長が気になってしょうがなかったんですよ。週末になると大抵、生徒たちの試合を観に行っちゃうんですよ。頑張っている姿が気になるんですよね(笑)。


 他にもアーデル野球塾へ見学に来た子供たちとご飯を食べに行って悩みを聞いたり…。様々な子供たちと触れ合ってきました。


──高見澤さんは子供がお好きだったのですか?



 大好きです!色々な目をした子供達を見ていると、アイデア・活力が湯水のように溢れてでてくるんですよ。

プロスタッフに挨拶をする塾生

アーデル野球塾は野球少年で溢れている

(1-3)熱意を認められ、経営権を譲ってもらった

──その後、平成20年(2008年)にアーデルバッティングドームの経営権を買い取った経緯を教えて下さい。



 アーデル野球塾を活発にしていく過程で、前オーナーから「それだけの熱意をもつなら形にしたほうが良い。アーデルバッティングドームと、アーデル野球塾を自分のものにしたらどうだ?」って言っていただき、譲っていただけました。


──熱意が認められたのですね…!



 本当、前オーナーが親身になってサポートしてくれました。会社の経営権を買い取るとなると税理士でしたり、社労士でしたり、弁護士も必要となってきます。僕は勉強不足でどうしたら良いのかわかりませんでしたが、前オーナーが必要な人材を全て用意してくれました。


──経営権を買い取る際、奥様にはご相談されましたか?



 はい。僕の背中を叩いてくれました。「やるべきだ!」って。妻の献身的なサポートにはいつも救われます。


──高見澤さんが経営権を取得されてから、アーデル野球塾はさらに活発になりましたか?



 活発になっていきましたよ!事業を拡大していくために、現役を経験した選手達を指導者として招き入れはじめましたしね。我々はサービス業ですからね。子供たちへ面白おかしく指導できる人材を集めましたよ(笑)。

(2)高校球児も輩出!アーデル野球塾では技術はもちろん、限界を超える心を育む

(2-1)一都二県で4校舎、550人が在籍する

──現在の野球塾の展開状況を教えて下さい。



 現在、塾生は全ての校舎をあわせて約550人、集まっています。校舎は以下の通りです。


① 埼玉県 岩槻本校(アーデルバッティンドーム岩槻本店)
② 東京都 田無校(田無ファミリーランド)
③ 東京都 神宮校(神宮バッティングドーム)
④ 千葉県 匝瑳校(アーデルバッティングドーム千葉店)


岩槻本校と、匝瑳校はアーデルバッティングドームの店舗で授業を開催しています。田無校と、神宮校には出張野球塾という形を取らせていただいています。

野球塾は神宮球場近くの「神宮バッティングドーム」でも開催されている

(2-2)入塾者は小学生から!

──入塾されている生徒の皆様は、何歳ごろから訪れるのですか?



 小学校1年生から来る子供もいますね。リトルリーグのチームに加入しながら、学習塾の要領でアーデル野球塾に通ってきています。


──野球塾の指導は規定で中学生までですが、卒業生に甲子園出場者はいるの?



 もちろんいますよ。ここの壁に飾られているペナントは甲子園に出場した卒業生たちからもらったものです。

甲子園に出場した卒業生達の母校のペナントが飾られている

(2-3)「自分は自分」という価値観を持っている

──甲子園に出場されるくらいの凄い子供たちは、やはり最初から「○○選手みたいになりたい!」と言ったような明確な目標を持っていましたか?



 どうでしょうか…甲子園に出場した生徒達はもちろん、それこそアーデル野球塾で汗を流している子供たちは「自分は自分」という価値観をしっかりと持っている印象です。例えるなら「柳田選手…?あぁ、いいよね…でも自分は自分だけど」って感じです。人とは違う自分だけの所に行こうとしている。きっとアーデル野球塾は変わった子が多いのでしょうね(笑)。

(2-4)自分の限界を超えてもらう

──現在、野球塾で教えられている指導内容を教えて下さい。



 バッティング・ピッチング・内野守備などの技術を含めた総合的な事はもちろんですが様々な試みを行っています。例えば…自分の限界を超えてもらう経験をしてもらったりしています。


──落合(博満)GMが中日ドラゴンズ監督時代にノックで、ギリギリのところを打ち続けて選手達の限界を引き出したような感じでしょうか?



 ああ、その通りですね!一度、限界を超えた経験をしておくと将来、壁が出現しても乗り越えることができるんですよ。塾生のOBからも「限界を超える経験をしておいてよかった」と言ってもらえています。


 アーデル野球塾の指導者達は「とにかく練習!」と言った厳しい時代と、「30分練習したら休憩する」と言った合理的な時代を両方知っています。良い塩梅で限界を超える経験をしてもらいます(笑)

内野守備練習に励む

投球練習も楽しみながらできる

(2-5)心を鍛え、壁を乗り越えられるようにする

──両方知っているからこそのさじ加減ですね(笑)。他にも注力している取り組みがあれば教えて下さい。



 人間教育に力を入れています。挨拶、礼儀を徹底的に叩き込みことで心を育てます。どんなに技術があっても心が未熟だと、厳しい闘いの中で挫けてしまうのですよ…。才能が溢れる選手なのに心が育ってないために、簡単な壁で挫折して野球を辞めてしまう…これは非常にもったいないです。


 他にも野球は集団競技なので心が未熟だと、やはり弊害が生まれます。誰かがエラーした時に「自分のミスではない」という態度をとる子供がいたら、しっかりと怒ります。自分勝手なプレイは集団の足を引っ張ってしまうからです。

(2-6)自身の失敗経験も反映して指導する

他にも自分自身があまり食べなかった失敗を反映して、食に関する指導は重点的に行っています。


──やはり食事・栄養は大切ですか…?



 大切です(力強く)。僕が現役時代は怪我がとても多かったのですが、ちゃんと食べないで栄養を摂取できていなかったからだと今でも思います。引退の原因となった腰痛以外にも、肘を壊してトミー・ジョン手術もやっています。栄養が足りてなかったから、厳しいプロの環境で生き残れなかったのでしょう。
 ご両親にも食事・栄養への意識を高めてもらいたいのでアーデルバッティングドームの店内では栄養素についてまとめた情報を常に公開しています。

あまりにも有益な情報なので、筆者はWEBで公開することを強く薦めた。

※Baseball365でも栄養の大切さを特集しました

○わが子を将来アスリートに!お母さんのためのスポーツ栄養学
https://baseball-365.com/articles/29

(3)【野球少年を育てるご両親へ】自分だけの型の完成を見守り、自主性を育むことを意識する

(3-1)バッターのタイプは基本を積み重ねた結果

──さて本題の「少年野球の練習を見守るためにご両親が注意すべき心構え」を教えていただければと思います。まずは「ホームランバッター」「アベレージヒッター」「プルヒッター」と言ったタイプ別の育成方法があればお聞きしたいのですが。



 少なくとも私たちは型に分けた育成は行っていません。そもそも実際の試合の中で、ホームランって狙って打てるプロ野球選手っていますか…?もちろん全打席、狙ってホームランを打てるならばよいのでしょうけど、あの松井(秀喜)さんや王(貞治)さんだってそれは不可能でしょうね。


──ではまずは当てる練習ですか?



 それも違います。ボールに当てることばかりに夢中になってしまったら、身体が泳いでしまってバットを振り抜けなくなります。結果、何時までたってもボールが前に飛びません。それ故に私たちはまずは確実に芯を捉えて振りぬくための指導を行っています。


 「やるべき基本を全てやったら結果、A君はホームランバッターになっていた!」という事はあります。一方で同じ過程を経た結果、「B君はアベレージヒッターに育っていた!」ということも往々にあります。バッティングスタイルは子供が個性を伸ばして作りあげた「自分だけの型」の結果であって、狙って作ることができるものではありません。

(3-2)その子供だけの型ができる過程を見守る

──では最初から「山田哲人選手のようになりたい!」って意識したりするのはあまり良くないのでしょうか?



 野球をやりはじめるきっかけとしては、良いのではないでしょうか?やはり山田選手のような打席に挑む前のルーティンもカッコいいですし、最初は真似から入るでしょうし。私だって最初は(ウォーレン)クロマティ選手にあこがれていましたから(笑)。


 ただ、練習を重ねていく過程で自ずと「自分だけの型」というのが出来ていますよ。私たちはその「自分だけの型」を作ることをサポートします。十人十色、その子供にはその子供だけの型があるんですよ。ご両親も、その子供だけの型ができるのを見守ってあげて欲しいですね。

(3-3)考える習慣を身に付けさせる

──なるほど…!勉強になります…!



 他にも野球少年と一緒に暮らすご両親には「自主性」を育てることを意識していただきたいです。


──それは何故でしょうか?



 考える力を養うことが、その子供の成長となるからです。アーデル野球塾では人の技術を取り入れる際に「自分の目で見て、考える事」を促進しています。同級生でカッコいいフォームで投げる子がいたらマネしたくなりますよね?だけど、そのフォームをマネすることで、自分の長所を失ってしまう可能性だってあります。自分で「その技術は本当に必要か?」と考える習慣を身に付けさせます。


 野球以外にも子供が学校の宿題で解き方が分からなく相談してくることがあると思います。ヒントはあげても簡単に答えを与えず、とにかく考えさせてみてください。

(3-4)ご両親が一線を乗り越えてはいけない

 更にご両親にさらに意識して頂きたいのは、「指導環境への一線を乗り越えてはいけない」ということです。監督・指導者に任せているわけですからね。少年野球の試合を見に行くと子供たちの前で「何で家の子供を試合に使わないんだ。何で他所の子なんだ!」って監督・指導者に怒るご両親も稀にいるんですよね。


──え…?それっておかしくないですか…?



 おかしいです。監督が何かしらのメッセージを伝えるためにスタメンから外すこともあります。子供たちの前でご両親がこのような事をしてしまったら、「何で出場できなかったんだろう…」と子供たちが考える機会を失ってしまいます。また、人格形成にも悪影響が及びます。


 アーデル野球塾ではこのような場合はご両親もしっかりと叱らせていただきます。子供たちの成長の阻害になるようなことは良くないです。もしそれで気に入らないならば辞めていただいても構いません。

(3-5)「プレイしているのは子供たち」という事を忘れてはならない

 最後に、ご両親に意識して頂きたいのは「プレイしているのは子どもたち」ということです。ご両親の基準だけで判断してはいけないのですよ。


──具体例を教えて下さい。




 例えばキャッチボールでもまだまだ、子供は大人と比べて下手なもの。子供が失敗したときに大人の判断基準では怒ってはいけません。度が過ぎると子供がイップスになってしまい、未来を潰してしまうのですよ。


 僕がみて驚いたのは子供がエラーをするたびにご両親の方を見るんですよ…。チラッチラッと。そしたらご両親が険しい顔で見つめているんですよね…!子供がエラーするたびに必要以上に雷を落としていたようです。


 私はしっかりとご両親に注意しましたよ。こういうものは放置しておく子供たちの成長を阻害してしまいます、イップスになってしまったら取り返しがつきません。ご両親が過保護すぎると、子供の可能性を潰してしまうこともあることを覚えておいていただきたいです。


 今回、私がお話させていただいたアドバイスは、他のリトルリーグやボーイズリーグに子供を預ける際にも共通する注意点だと思います。私の意見が、全国の野球少年達の成長を見守るご両親の皆様のヒントになれば幸いです。

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