「人生に勝つとは、最後に勝てた人の事」〜元読売ジャイアンツ 芦澤明氏のケース

「人生に勝つとは、最後に勝てた人の事」〜元読売ジャイアンツ 芦澤明氏のケース

Haris Paris(ハリパリ) 鍼灸整骨院を営む元プロ野球選手の芦澤 明院長(以下、芦澤院長)に、どのようにしてセカンドキャリアを築かれたのか伺いました。芦澤院長は読売ジャイアンツ退団後、体の痛みを治すプロッフェッショナルとして幅広く活躍されています。


 高級住宅街を控える小田急線・代々木八幡駅/千代田線・代々木公園駅でHaris Paris 鍼灸整骨院を営む芦澤院長に、読売ジャイアンツを退団後、どのようにしてセカンドキャリアを形成されたのか伺いました。芦澤院長は高校時代、日本航空高校に在籍し八木智哉選手(日本ハム→オリックス・バッファローズ→中日ドラゴンズ)と共に2001年夏甲子園に出場しました。その後専修大学に進み「4番サード」を勤め、同大学の1年後輩の松本哲也選手(読売ジャイアンツ)、長谷川勇也選手(福岡ソフトバンクホークス)らと共に強力な打線を築きました。大学卒業後は社会人野球の名門・シダックスに入団。その後読売ジャイアンツに入団したものの翌年、度重なる怪我の為自ら退団しました。何故、華々しい球界での職を捨ててまで、治療家の道を志したのか?

自身の「痛み」の経験が現在の道を作った

2001年夏の甲子園でファインプレイを見せる芦澤院長

──まずは芦澤院長が、読売ジャイアンツを退団した動機を教えて下さい。

 2006年のドラフトで読売ジャイアンツの入団が決まりプロの夢が叶ったのも束の間、イースタンリーグの試合で怪我をしたのがきっかけでした。それまでがむしゃらに練習をしてきたので、身体のあちこちにトラブルを抱えていました。23歳で育成枠としての入団でしたからね。「早く結果を出さなければ!」と焦っていた中で、故障者となってしまい大きな不安を覚えました。「このままズルズルと一軍に上がれないまま、数年後に戦力外通告を受けたとしたらいったいどうなってしまうのだろうか…」と悩み、考えた末に退団することに致しました。

──大きな怪我を抱えていたのですか?

 それまでの古傷の右膝半月板靭帯損傷、左手の骨折、左手首のTFCC損傷、椎間板ヘルニアによる足の痺れが私の抱えていた怪我です。プレーに支障をきたすほどでした。

過去の人生を活かせる治療家の道を見つける

──その後、治療家への道を志されたきっかけを教えて下さい。

 「過去の人生を活かしつつ、誇りをもって人様の役に立てるような仕事は何か?」と考え抜いた結果です。学校に通い、国家資格試験に受かれば自分と同じように怪我で苦しんでいる人達の役に立てる治療家になれることを、お世話になっていた柔道整復師の先生に伺いこの道を選びました。

──現役時代、芦澤院長自身も治療の効果を感じたことがありましたか?

 勿論、何度も実感しています。私自身も選手時代に鍼灸治療を受けていましたからね。スポーツ選手の筋肉はとても大きいので、手技だけでは筋肉の緊張が緩まない箇所に鍼を打ってもらったり、怪我をして手が腫れ上がった時、お灸をすえて腫れをとってもらい翌日の大事な試合に臨んだ事もあります。

──資格取得のための学費はどのように捻出されたのですか?

 手を付けずに残していた読売ジャイアンツの契約金と、昼間は接骨院に勤務し夜間学校へ通うことで何とか捻出できました。昼間は働いて経験を積み、夜は勉学に励みました。

──何年間、勉強されたのですか?

 合計で6年間です。柔道整復師も鍼灸あん摩マッサージ指圧師も3年間ずつです。学校で学んだ後に国家資格に受からなければなりません。

「出会い」があったから次の道へ歩み出せた

──芦澤院長は直ぐに次の道へ歩み出すことができましたが、引退したプロ野球選手がセカンドキャリアを形成するのは簡単ではないと思うのですが、いかがでしょうか?

 そうですね…。実際に引退したプロ野球選手を何人も見てきましたが、中には苦戦している方もおられます。私自身も23歳までは朝起きてから夜眠るまで、野球の事しか考えていませんでしたからね。プロ野球界は社会から閉ざされた世界にいたと表現しても、オーバーではありません。ほとんどの元プロ野球選手がそうだと思いますが、会社勤めをしたくても野球の事しか分からないので一般の方よりも多少、ハンデがあります。

──なるほど…。実際、芦澤院長が読売ジャイアンツを退団された時はどのような心境でしたか?

 自分で決めた事とはいえ、一言では表せない大きな不安感で一杯でした。自分がこれまで積み上げ続けたものが崩れ去るような感覚と、生きるために新たに何かを見つけなければという焦りもありました。

──芦澤院長が不安に打ち勝ち、すぐに新しい道へと歩み出せることができた秘訣を教えて下さい。

 野球を通じて沢山の尊敬すべき人々に出会えていたからだと思います。中でも広岡達朗さん、荒川博さんと言った「師匠」とも言える方に「人生は一度きり。せっかく生まれてきたのだから人の役に立てる事を、とにかくひたすら一生懸命やりなさい」とアドバイスを頂いた事が、前向きに考えるきっかけとなったように思います。

──確か広岡さんは監督としてヤクルトスワローズと西武を日本シリーズで優勝に導いた名伯楽ですよね。荒川さんは王貞治さんを育てられた方でしょうか?

 はい、その通りです。広岡さんに守備を習い、荒川さんからはバッティングを教わりました。お二人には野球だけでなく、社会人としても大切なことを色々と教えていただきました。

常に上を目指し、研究を重ねる

写真は「肩の痛み」の相談をするBaseball365編集。毎週末、テニスを楽しんでいる。

──お二人から受けた指導で、鍼灸整骨院を開業した現在でも大切にしている事はありますか?

 はい。例えば広岡さんは練習中に「もうこの辺りで良いだろうと思ったら敗北」「大脳で考えながらやっとるうちはダメです。無意識でできるようになるまで小脳に叩きこまんと」とよくおっしゃっていました。治療家も一緒で、中途半端では駄目なのです。一生をかけて極める気持ちで臨まないと。

──なるほど…!

 ある日、広岡さんが真顔で、「芦澤くん、一度自分で自分の脚を折ってみなさい」と言って大笑いされたことがあります。

──えっ…?(笑)

 そのくらい覚悟を持った治療家になりなさいという広岡さん独特のメッセージです。患者様のことを想い、傷病・疾患に対して新旧織り交ぜ学ぶことが大切です。「オンリーワン」と呼ばれる治療家を目指すことは、ある意味ではプロ野球選手の生活とよく似ていますね。

一野球人であるまえに、一社会人

 もう1つ、野村克也監督がシダックス野球部で広めた「人間教育」に接したことも今の私の重要な柱になっています。

──シダックス野球部時代、野村さんの指揮下に入られた経験があるのですか?

 私がシダックス野球部に入部した時、ちょうど野村監督が東北楽天ゴールデンイーグルスの監督に就任されたので、入れ違いの形になりました。ただ、野村監督が残していかれた「一野球人であるまえに、一社会人」という考えがシダックス野球部に浸透していました。礼儀や身だしなみに厳しかったですし、人間的に成長しなくては技術の成長は無いと、考える事を求められました。

──どのような時、人間教育が生きていると感じますか?

 患者様と接する時です。相手の話をよく聞き、心情を把握し、丁寧なことばで話をするように心がけています。しごく当たり前のようですが油断すると忘れがちになります。円滑なコミュニケーションをはかり、求められる適切な施術を施した時、患者様との信頼関係が深まったと感じます。

人生に勝つとは、最後に勝てた人の事

──芦澤院長の場合は様々な人との出会いがセカンドキャリアを形成するための鍵だったのですね…!

 読売ジャイアンツを退団し、悔しさと不安で人生のどん底に突き落とされた気持ちで迎えた正月の朝、広岡さんから年賀状が届きました。そこには「人生に勝つとは、最後に勝てた人の事を言うのです。ガンバレ!」と万年筆で一言添えられていました。涙が出るほど嬉しかったです。

 人生につまずいても、最終的に良い人生になれば良いのです。凄く遠回りをしても努力していればいつかは実ると信じて進むことが大切です。野球は9回までですが人生はもっともっと長いですからね!

あらゆるアスリートの痛みを解消する

将来の展望を語る芦澤院長

──今後、芦澤院長はどのようにHaris Paris 鍼灸整骨院を展開されて行きたいですか?

 プロ、アマを問わずスポーツに取り組まれている方のサポートに力を注ぎたいと思います。自分の経験からも言える事ですが野球で例えると練習前後のストレッチ不足や、過度の投球数による肘の故障など、起こるべくして起こる怪我が多いのです。それらを予防できればと思います。
 
 また故障中は精神的にもダメージも受けるので支えたいです。故障中だからこそ普段の練習メニュー、自分の体の弱点、筋肉の状態などを見直して「怪我をした後の方がパフォーマンスが向上した!」と思って頂けるアドバイスをしたいです。
 
 後は怪我をして、もし明日に大切な試合を控えている時、「あの先生なら力になってもらえるかも…」そう思って頂ける事が目標です。そんな頼れる治療院を確立していきたいと考えています。

Haris Paris鍼灸整骨院 店舗詳細

小田急線・代々木八幡駅/千代田線・代々木公園駅から徒歩二分の好立地のHaris Paris鍼灸整骨院

清潔感溢れる診療スペース

【住所】
東京都渋谷区元代々木町4-2 パークサイド代々木201
【電話】
03-6804-8175
【診療時間】
9:00〜13:00
14:30〜21:00
※ 21:00以降は予約のみ可
※ 休診日はHPを要確認
【HP】
http://www.harisparis.com/

※本サイトへの許可なく画像・文章などの無断転載、無断引用を禁じます。

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