山田哲人を魅了したグローブ・Donaiya(ドナイヤ)【後編】

山田哲人を魅了したグローブ・Donaiya(ドナイヤ)【後編】

引き続き、グローブメーカー・Donaiya(ドナイヤ)の村田裕信社長(以下、村田社長)にインタビューを行いました。山田哲人選手(東京ヤクルトスワローズ 以下、山田選手)がアドバイザリー契約を結んでいる事で、既にDonaiyaをご存知の方も多いのではないでしょうか?村田社長が品質を追求する思いに迫ります。


 前回に引き続き、Donayaを手掛ける村田社長へインタビューを行いました。Donaiyaは山田選手をはじめ、数多くのプロ野球選手を品質で魅了し続けています。何故、村田社長は手に届く価格で高品質なグローブを流通させるのか?グローブに込められた、その想いに迫ります。

飛び込みの連続で自身の道を掴む

──引き続き、インタビューへのご協力ありがとうございます。村田社長は用具開発に、いつ頃から携われているのですか?

 前職のスポーツ用品メーカーで、サラリーマンをやっていた時から…。2000年からになります。

──学生時代から、スポーツ用品に携われる仕事を目指されていたのですか?

 そんな事はないですよ(笑)。私は大学を卒業した後、まずは一般企業に入社しましたからね。しばらく働いていたのですが、物足りなくなり25歳の時にワーキングホリデーを利用して、オーストラリへ旅立ちました。

──オーストラリアへ向かわれた時、英語は既に習得されていたのですか?

 これが全然、話せませんでした(笑)。空港で3時間程、右往左往しましたからね…。他の外国人観光客達を真似しながらの入国でした。

──滞在費はどのように捻出されていたのですか?

 現地で「I want to work here」って片言の英語で飛び込み、働かせてもらいました(笑)。滞在費を稼がせてもらい、現地に慣れてきたので大学に通おうと思い、西オーストラリア大学に向かいました。

──おっ、大学に願書をだされたのですか?

 これまた飛び込みで入学させて欲しいと(笑)。

──凄いフットワークですね!学校側はビックリされたのではないですか?

 ビックリしていましたよ(笑)。普通は外国語大学の学生が、研修で来るような場所ですからね。いきなり履歴書を持って来る外国人なんて、私しかいなかったでしょうからね。

──まさか、スポーツ用品店メーカーへの入社も飛び込みですか…?

 その通りです(笑)。オーストリアから帰国後、通っていたバッティングセンターで偶然、読んだ雑誌に求人の電話番号が載っていました。「よっしゃー!!」といきなり電話したら面接していただける事になりました。

──ど…度胸が素晴らしい…!

 最初は「不合格だろうな…」と思っていましたよ。「内定が既に決まっているけど君、面白いから面接だけ来る?」と、言われていましたからね。

──普通でしたら、もう既に枠が埋まっているように感じますよね。

 私も「企業との面接に慣れておくか…」と経験を積むだけの予定でした。しかし、まさかの合格でした…!!

──まさに飛び込みで勝ち取り続けたのですね…!

選手と現場を繋ぐ架け橋となる

──続いては、スポーツ用品メーカーでのサラリーマン時代のエピソードを教えて下さい。

 プロ野球選手たちとリレーションシップを構築して、現場の声を工場に伝えていました。

──プロ野球選手たちとのリレーションシップ作りは円滑にいけましたか?

 いやいや…(苦笑)。それこそ池山(隆寛)さん(元・東京ヤクルトスワローズ 現・東北楽天ゴールデンイーグルス 一軍打撃コーチ)と出会えたから、働き方を覚えることができました。池山さんは私に、プロ野球選手達が集まるロッカールームでのルールを教えてくれました。他にも私が至らない時は、ちゃんと怒ってくれましたし、グローブについて悩んでいる時はアドバイスもくれました。

──現場の声を伝えるのは、最初からスムーズに行きましたか?

 最初は苦戦しました…。プロ野球選手達からの声は「ちょっとポケットの中でボールが遊ぶから、遊ばんように」とか「ここにシワが寄っているから」とか感覚的な意見が多かったですからね。これらをそのまま工場に伝えたって、分からないですよね。

──確かに…!おそらく、工場側は具体的な言葉を求めますよね。

 だから何回、作りなおしても両者が満足するものが完成しません。選手にも「違う!!」って言われるし、工場にも「なにいうてんねん!!」って怒られました。「これではあかん…!」と考え、現場の声を翻訳できるようになるためにグローブの勉強をはじめました。

──勉強はどのように行われたのですか?

 あらゆる種類のグローブを一生懸命、観察しました。プロ野球選手たちが使うグローブは十人十色という言葉通りに、皆がバラバラです。あらゆるグローブを研究して、少しずつ時間をかけながら学んでいきました。

──なるほど…!数々のグローブを研究されて、いったのですね!

 他にもインタビューの前編でお話させて頂いた、メジャーリーグの超一流選手達が市販品を使っているという事実に衝撃を受けたり…。サラリーマン時代に沢山の事を、勉強させていただきました。

──サラリーマン時代の研究の積み重ねがDonaiyaを誕生させたのですね。ではこの時の経験が内野手用グローブの3種類の型を作り出したのでしょうか?

 その通りです。

3種類の中から、必ず自分に合う1つを見つけられる

──内野手用のグローブはこの3種類でアマチュアから、プロ野球選手まで全ての選手に対応することができるのですよね?

 その通りです。Donaiyaでは「DJIM」「DJIK」「DJII」の3種類を用意しています。

──それぞれの型について説明していただいてもよろしいでしょうか?まずは「DJIM」からお願いします。

 3種類の中で本体が1番大きいですが、ポケット部分は1番小さく仕上げています。

──続いて「DJIK」の説明をお願いします。

 「DIJK」は本体も、ポケット部分も全て真ん中のサイズです。

──最後に「DIJI」の説明をお願いします。

 3種類の中で本体が1番小さいですが、ポケット部分は1番大きいです。

──3つの型で共通している事があれば教えて下さい。

 いずれの型でも受球面の親指と小指のハラの部分に、シワが出来ないように設計してあります。これら3種類の内のどれかを手にはめてもらえれば、自分だけのグローブを必ず、見つけることができます。

──確証を持たれた理由を教えて下さい。

 グローブの勉強を重ねていく過程でトップレベルのプロと、弱小高校のアマチュアの子でも共通点がある事に気づきました。

──差支えが無ければ、共通点を教えて下さい。

 ボールを掴むためのポケットの位置や、土手の広さの好みに共通性を見つけ出すことができました。常勝軍団と形容されるチームのプロ野球選手達と、地方で一回戦負けする弱小校の高校球児達が好むポケットの位置が共通していたり…。統計を取り、更に突き詰めた結果、3種類の型を導き出すことができました。

──統計からのアプローチで、内野手用グローブが誕生したのですね。型はチームによって偏りはあるのですか?

 もちろんです。あるチームでは「DJIM」が好まれたり、他のチームでは「DJIK」が、また他のチームでは「DJII」が好まれることも往々にしてあります。

──偏りが生まれる理由は何故でしょうか?

 おそらく、指導者・指導法が原因だと私は考えています。正確に言えば捕球してから、スローイングまでの一連の動作の指導ですが。

──では山田選手に憧れているからと言って、同じ「DJIM」を使っても必ずしも手に馴染むわけではないのですね。

 そのとおりです。「DJIM」よりも、「DJIK」、「DJII」のほうがしっくりくる可能性は十分にあります。守っているポジション、プレイ、手の大きさはそれぞれ異なります。本人と同じ型に囚われ過ぎない方が絶対に、良い結果が生まれます。山田選手も自身で3つの中から、1つを選んだわけですからね。山田選手が一生懸命、自分だけの「DJIM」を育て上げたように、皆様も自分の手に馴染む1つを育てていただければと思います。

道具が結びつける縁を楽しみにする

──余談ですが、高校野球でもDonaiyaを愛用している選手が増えてきましたね…!

 ありがたい事にDonaiyaを手にとってくれたプロ野球選手達が、自分の高校の後輩に「めっちゃ、ええグローブ!」って薦めてくれているようです。

──後輩に使って欲しくなる品質なのですね!

 現在の楽しみはDonaiyaを愛用してくれている高校球児達と、プロの世界で巡りあうことです。Donaiyaを立ち上げて6年目。そろそろDonaiyaを使い続けてくれている高校球児達がプロに上がってくる時期です。当然、まだお互いの面識はないのですが、彼らがプロにの世界にやって来たときに「はじめまして!」って挨拶するのが楽しみです。

──まさに道具が結びつける縁ですね!

自分の納得した商品しか世に出さない

──村田社長は、出荷されているグローブの検品をご自身でやられているのでしたよね?

 はい、そうです。自分で1つずつ手にはめて検品していますので、自ずと販売できるグローブの数に限界があります…。しかし私は、自分が納得できるものだけを世に出したいので変えることはできません。

──本インタビューをお引き受けいただいた際も、グローブの検品の後でしたよね。お疲れの中、お時間をいただきありがとうございます。本当に良い物だけを、世に出されたいのですね…!

 そうです!利益は二の次です(笑)。私はこのグローブの良さを心から理解していだけるお店としか付き合いたくありません。それ故に「街の1番」のようなお店はわざと避けて、野球部の子達が集まるようなお店を中心にお付き合いさせていだいています。

成長の可能性をサポートする

──本当に良い物だけを提供したい目的を教えて下さい。

 市販されているプロモデルはそもそも、本物では無いですからね…。

──ああ…エレキギターなどの楽器も市販されているミュージシャンモデルは、本人が実際に使用しているものと違うと言われていますよね。分かるような気がします。

 そこでプロが使っている品質のグローブを…、アマチュアの子供達も本物を使う事ができたら絶対に嬉しいと思うのですよね。

──私もそう思います。だって、本物を触ることができるのですからね。

 野球ってグローブ1つでプレイが変わるし、何より子供の未来すら変わってしまう事があります。あまり品質が良くないグローブを使ったせいでエラーをして、監督に怒られて野球を辞めてしまう子供だっているんですよ。

──私自身も品質の良くない道具のせいで、ゴルフが嫌いになってしまった時期があるのでよく分かります…!

 でもプロが使っているものを市販で買うことができたら、その子の可能性が伸びますよね。Donaiyaを使うことで、野球を好きになってくれる子が増えたら嬉しいです。それに特注品にはないメリットもあるのですよ。

──教えて下さい…!

 特注品ですと「去年は良かったけど、今年は全然ダメ…」ということがあります。もちろん、元々の品質が良くなくては意味がないのですが。Donaiyaのグローブなら品質が高いので、何年も付き合っていけますよ。

──なるほど…!インタビュー前半でメジャーリーガーが定番品をそのまま、使う理由が分かったような気がします…!組織に所属したまま、品質を追求するのは難しかったのですか?

 こういった商売は組織に所属していたサラリーマン時代では不可能でしたね(笑)。企業はまず、粗利を考えて商品開発を行いますからね。コストを削って、高い価格をつけないと儲けがでてこない。

 でも私は手に届く価格帯で、良い品質の商品を届けたいです。だから大型店とも組めないし、人件費の関係で従業員も雇っていません。

──今の値段なら小さな子供がお年玉とかで買えそうですよね。

 多分、全部のメーカーでうちが1番安いです。でも品質は1番高いと自信を持って言えます!是非、全国の野球選手達に手にとってもらいたいです。

──本日はインタビューへのご協力ありがとうございました!

<編集後記>

 村田社長がグローブにかける想いはいかがでしたでしょうか?本当に自分が満足するものだけを供給する姿勢は、まさに「職人魂」という言葉がよく似合います。手に届きやすい価格で高品質なグローブを販売し、野球を好きになる子供を増やそうとする姿勢にも共感を覚えました。Donaiyaのグローブは、球界の発展をサポートしているといっても過言ではないでしょう。

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