日本でも導入されるチャレンジ制度(リクエスト制度)を解説!

日本でも導入されるチャレンジ制度(リクエスト制度)を解説!

来季から日本でも導入されるチャレンジ制度(リクエスト制度)。今のうちにチャレンジ制度の歴史や、システムを知ることで、来季のプロ野球をより楽しめるようになること間違いなしです!


 来季から日本でも導入されるチャレンジ制度(リクエスト制度)。今のうちにチャレンジ制度の歴史や、システムを知ることで、来季のプロ野球をより楽しめるようになること間違いなしです!

(1) ファンのMLB離れを阻止するために誕生したチャレンジ制度

(1-1)本塁打限定のビデオ判定からチャレンジ制度へ

 チャレンジ制度は、MLBで2014年1月16日に始めて制定されました。チャレンジ制度が制定される以前は、本塁打に関するビデオ判定のみ実施されていました。しかし塁上で起きるプレイの際どい判定は、審判でも常に正しい判定を下すことが難しく、疑惑の判定に対しては、ファンや様々なメディアが批判することも度々ありました。そこで、誤審による野球ファン離れを阻止するために、ストライク判定以外の主なプレイに対してビデオ判定を要求することができるチャレンジ制度が制定されることになったのです。

(1-2) チャレンジ制度の原型はNFL

 チャレンジ制度の原型は、プロフットボールNFLが採用している制度が軸になっています。両チームの監督には試合開始から7回までに2度、8回から試合終了までに2度、該当する判定にビデオ判定を要求する権利が与えられ、異議が認められ判定が覆った場合、2度までを上限とし、再び要求する権利を得ることができるのです。チャレンジ制度が適用される主なプレイは、本塁打、フォースプレイ、タッチプレイなどは勿論、ファンによる妨害行為、故意落球、走者が前の走者を追い越したプレイ、ボールカウント、アウトカウントの確認なども含まれます。

(2) 他国にも広がるチャレンジ制度

(2-1)2018年からNPBに制定されるチャレンジ制度(リクエスト制度)

 NPBでは2017年度まで本塁打、本塁クロスプレー、併殺崩しに関するビデオ判定が実施されていましたが、2018年度からチャレンジ制度の日本版である「リクエスト制度」が導入されることが決定しました。これからはMLBと同じくほとんどのプレイでビデオ判定が実施されることになります。両チームの監督は9イニングの試合で2度、延長から試合終了までに1度、疑惑の判定への異議申し立てを行うことが可能で、判定が覆った場合は、リクエスト要求回数は減少しません。

(2-2)リクエスト制度の制定で期待されるNPBの誤審の減少

 NPBでリクエスト制度が導入されることで、誤審の数の減少が期待されます。リクエスト制度が制定される前は、日本シリーズという大舞台で、おそらく当たっていない内角高めのボールが頭部死球と判定されてしまい、危険球退場になってしまったことや、明らかに落球したと思われるプレイが捕球と認められてしまうこともありました。リクエスト制度の導入により、客観的な視点での判定が増えることを願うばかりです。

(2-3)他国の事情も!KBOの審判合意判定制度とは?

 韓国プロ野球、通称KBOリーグでも韓国版チャレンジ制度「審判合意判定制度」が2014年から導入されました。1試合に2度、疑惑の判定への異議申し立てが可能で、フォースプレイ、捕球などの主なプレイに加えて、野手のスイング、ファウルなども対象に含まれます。

(2-4)各国のチャレンジ制度の裏側

 NPBとKBOでは、ビデオ判定の際にテレビ放送局の中継映像が使われますが、MLBではニューヨークにチャレンジ制度用のスタジオを設立し、各球場に設置されている複数のカメラから分析担当審判員が映像を確認しつつ、各球場の審判員と連絡を取り合うという過程をこなした後に判定が下されます。前者の方式だと、中継映像の質によっては重要な部分がはっきりと映らなく、ビデオ判定を行っても、根拠がない判定を下してしまう可能性もあります。こういった最先端の機材やシステムの導入は高いコストがかかってしまいますが、いずれはNPB、KBOでも導入されることを期待したいですね。

(3)さらなる審判員の技術向上へ。「トラックマン」と「チャレンジ制度」

 NPBでは2018年度から、さらなる審判員の技術向上を目指すために、ボールの回転数など、投球の情報を精密に測れる機器「トラックマン」を活用し、試合後に検証を行うことになりました。MLBの審判員も、審判の能力を評価するクエステック・システムが導入されており、様々なデータを活用し、技術向上を計っていると言われています。チャレンジ制度や、リクエスト制度も判定が難しいシーンを振り返ることができますし、審判員の方々の技術向上がしやすくなるような環境が整いつつありますね。

(4)編集後記

 チャレンジ制度は、ファンにとって嬉しい制度なのではないでしょうか。やはり疑惑の判定が起きると、ファンの信頼を失いファン離れにつながってしまうこともありますし、客観的な視点から判定を下すことで選手、首脳陣、審判員、ファン全員が納得できるということが一番だと思います。今からチャレンジ制度の日本版である「リクエスト制度」が導入される来年以降のプロ野球が楽しみですね。

【記事執筆】
高野昭喜

【企画立案】
小林英隆

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